■グラスフェッドの国産化は難しい
グラスフェッドミルクを生産するためには、牛1頭あたり1haの牧草地が必要です。特に、近年の気候変動で、冷害や干ばつの被害により牧草が十分に生育しないことも考慮すると、それ以上の牧草地が必要になってきます。
しかしながら、近年は多くの牧草が育ちにくい環境になっております。
また、物価上昇が社会問題となる中、酪農も例外ではなく、飼料や肥料の価格上昇、さらに軽油・ガソリン・電力の価格上昇が経営を圧迫しています。
飼料の約50%を海外に依存する日本の酪農では、自給飼料でグラスフェッドミルクを生産することがとても難しく、さらに仮に生産したとしても、独自の加工、流通ルートを持たない限りは他の牧場の生乳と合乳になってしまいます。
そのような背景で、国産グラスフェッド乳製品は、需要が高まったとしても、十分な供給ができない状況です。